2018.07.03 想い出 その1
1年と少し前、”沈黙” という映画が上映されていました。私は見ませんでしたが、原作は読んでいました。40年近く前、高校生の時に友人からハードカバーの単行本をもらったのがきっかけでした。”これ、いいぞ”とかなんとか言われたと思います。さっそく読んでみると、思春期の自分は強烈なインパクトを受けました。じっと立ち止まって思いに耽ってしまわずにいられないような感覚でした。生まれたことの意味、生きることの意味、そして死ぬことの意味、皆が思春期にぶつかっていくこの難解なテーマを私も考えさせられているときでした。曖昧な記憶になっていますが、幕府の政策で宣教師が逆さに吊られて処刑されている間中、神へ ”救い” を祈り続けながら死んでゆくその姿に恐ろしいほどの無力感を感じさせられました。選ばれし神の子であるはずの彼を神は救うことなく、あるのは沈黙のみ、というこの光景は今でも心に浮かびます。高校時代は親鸞聖人の ”歎異抄” に何度か挑戦しました。”善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人おや” この一文が痛快で今でも残っています。大学時代には教会にも通いました。当時一緒に通っていた友人は今では立派な牧師になっています。人に善い行いをすること、一日を楽しむこと、が生きるうえで最良の事のように今では考えています。奇跡的な確率で人は日々出会いますが、その奇跡的さ故にそこに意味や使命を感じさせられてしまいます。今年の夏期の募集チラシは配布いたしません。このホームページでの出会いに限られますが、今後の出会いを楽しみにお待ちいたします。